「わかった」を「解った」に変える

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。

 

今日は平成28121718日に長野市の大岡演習場で実施しました第2回ウッドタワー技能検定試験の様子をご報告します。

 

「青葉なんぶの森」で行われた第1回目の講習会では4日間の実技練習の後、検定試験を実施しました。しかし、今回は普段からウッドタワー工法を実践している会員を対象としているため、検定試験のみを行う一発勝負です。 JRの沿線近接木伐採でウッドタワー工法に求められている安全は「究極の安全」です。そのため、実技試験はもちろんのこと、力学やリギングシステムの筆記試験もあり、より確実な安全知識と安全技術の習得が問われる内容となりました。「試験」と言うと、受験者の皆さんも緊張しますが、受け入れ側の技術指導員も準指導員クラスの試験は初めてであり、かなり緊張しました。大岡演習場の立木を、リギングシステムを使用してグループワークで伐採(スリーモーションシステム)する技能検定はウッドタワー研究会の独自の方法であると言えます。

 

今回の試験のテーマは「わかっていたつもりが実は解っていなかったことを認識する」ことです。参加者は日ごろから近接木の伐採をされている経験豊富な皆さんです。日常無意識にしている動作、その動きの根拠となる知識、それらが正しいのか?間違いなのか?これを今回の試験を通して、自分の技能を検証し、課題を見つける良い機会になれば幸いです。かく言う私も恥ずかしながらいまだに「わかったつもり」の部分がいっぱいあります。

 

今回は受験者の8名を2班に分け、初日はAチームが実技試験。Bチームが筆記試験です。

2日目はBチームが実技試験。Aチームが筆記試験です。

 

実技試験のポイントは

・チーム全員の安全意識が揃っているか。

・上下作業のルールが徹底しているか。

・道具撤収後の員数確認。

 

 

筆記試験の内容は

  ・力学の基礎知識。

  ・リギングのシステム選択と必要道具の図解。

  ・ノット18種。

       ・スローラインとロープセッティング。

 

準備はいいですか?

よーい、はじめ!

 

 

 

Aチーム

作業計画立案中

リギングシステムは?

必要道具は?

人員配置は?

 

専用シートを使い、全ての情報を4人全員で共有して「思い込み」や「勘違い」を防止します。

 

 


実技試験スタート

試験課題は持ち時間の1時間で

ダイナミックリギング

スタティックリギング

 

2種類をチームワークで処理していきます。

 

 

 

 

Bチーム

力学の筆記試験真っ最中!

持ち時間は45

 

ん~悩みます!!!

 

 

 

 

試験を終了し、ホット一息。 

 

技術指導員:ポールポインター、小松誠司、藤原祥雄

 

研究会委員:山岸建次、高橋秀夫

 

受験者: 北岡由自、戸出昭広、高柳圭、及川太郎、

          木村亮介、佐々木法雄、舟生伸、畠山晋太郎

 

 

 

 

 

 

大岡演習林より北アルプスの山々を望む

 

 

 

 


2回ウッドタワー技能検定試験 結果発表

 

準指導員 北岡(きたおか)(ゆう)()さん 株式会社武蔵ツリーサービス

 

準指導員 ()()(あき)(ひろ)さん

 

1級   高柳(たかやなぎ) (けい)さん こだま樹業

 

準1級  及川(おいかわ)太郎(たろう)さん  Aorbo Core

 

準1級  木村(きむら)(りょう)(すけ)さん 株式会社マルイチ

 

準1級  佐々木(ささき)法雄(のりお)さん hoaloha

 

準1級  舟生(ふにゅう) (しん)さん  真和工業株式会社

 

2級    畠山(はたけやま)晋太郎(しんたろう)さん

 

 

後日、受験者の皆さんに試験結果とともにそれぞれの技術的課題、知識的課題をお送りしました。自分の課題を客観的に見つめ直し、さらなる安全技術の向上につなげていただければ幸いです。

普段の講習会と違って、試験形式にすると自分の間違えたところがいつもに増して脳裏に残ります。悔しい思いは脳回路を活性化させ、知識や技術をより深い理解「解った」に導いてくれると感じています。また、指導側からもみんなが間違いやすいポイントが明確になり、何を重点的に教えていけばよいのか。指導の重点項目が見えてきました。

 

皆さん2日間お疲れ様でした。そして、ご参加いただきありがとうございました。