いつもこのブログをご覧いただき、ありがとうございます。今日はウッドタワー講習会&技術判定会の様子をご報告します。
講習会は平成29年11月20日から22日まで3日間、判定会が23日から24日まで2日間、いずれも長野市大岡の㈱マルイチ大岡演習場で行われました。講師はおなじみウッドタワー伐採士で指導員(講師)のポールポインター氏、小松誠司氏、藤原祥雄氏の3名です。
ウッドタワー工法の目的は線路の近くの樹木を、安全に効率的に伐採することです。試行錯誤の末、スリーモーションシステム(登攀、降し、横移動)が開発されました。クライマー、グランドワーカー、ウインチマンによるチームワークで作業を行います。それぞれ行動を起こす前には、言葉にして相互理解をうながす「確認会話」を安全の基本としています。審査基準もこの点を重要視しています。
今回の試験は
・クライミング用語の筆記試験
・力学の筆記試験
・ノットの実技試験
・スローライン・クライミングシステム設置、移設の実技試験
・カッティングの実技試験
・スマートウインチの設置・操作試験
・PCウインチ設置・操作試験 等
今回の参加者は、青森県2名、福島県1名、新潟県1名(講習会のみ参加)千葉県1名、和歌山県1名と、遠方会員の方々が遥々長野に来ていただきました。参加者の多くの方は、㈱マルイチの特殊伐採講習会に何度も参加されており、ウッドタワーの経験は豊富です。しかし、本番の技術判定会は講習会の雰囲気と異なり、少し緊張されている様子でした。時間制限あったり、仲間の動きに焦ったりと普段ならキチッとできていることを忘れてしまうこともチラホラ。緊張感の中で得た知識や技術は強く記憶に残ります。皆様のさらなる技術アップの契機になれば幸いです。
気になる結果は新規資格者が1級2名、準1級1名、2級1名の計4名の皆様。2級から準1級への昇格資格者は1名です。おめでとうございます!
大岡演習場は標高800m以上で、北アルプスの山並みを望める風光明媚な所です。今回は雪の予報もあり、実施可能か心配しましたが、無事、予定のとおり、ケガもなく終了することができました。
古民家を改造した大谷石のキッチンにある大きな薪ストーブ。お蔭で寒さを感じることもなく座学、ノットの講習も笑いを交えながら行うことができました。
地元の食材を使った温かくおいしい食事と、地酒、ワインをいただきながら和気藹々の懇親会もでき、会場提供の㈱マルイチ様、3食の賄をして頂いた佐々木万理様、講師の皆様へ御礼を申し上げます。
平成29年度11月講習会技術判定結果
NO 会社名 氏名 技術レベル
1 朝倉美明 ウッドタワー伐採士1級
2 三﨑 登 ウッドタワー伐採士1級
3 ㈱階上林業 袖平純二 ウッドタワー伐採士準1級
4 神保圭吾 ウッドタワー伐採士準1級
5 大野潤一 ウッドタワー伐採士2級
今後の技術判定会の参加者の皆様に参考にして頂くため、今回の講習会の技術判定結果
(準1級合格者本人へ通知)の1例を掲載いたします。
○安全装備 89点 ・革手袋の未使用
○チェンソーマン100点
○ロープセッティング+ALT 78点
・ ランヤードのほころびが多い
・ フリップステックがうまくできない
○クライマー 85点
・ 自分の動作を言語化していない。グランドワーカーと誤解が生まれる
・ ランヤードの設置位置が悪く、安定姿勢を確保できない
・ 制動量(ポータラップの巻く量)を伝えていない
○手動ウインチ 95点
・ 革手袋の未使用
○PCウインチ 100点
○ノット 95点
・間違ったのはダブルループドボーラインです
○力学 39点
・苦手分野はベクトル・力のつり合い・張力・振り子運動・倍力計算です
○ウッドタワー用語 36点
・間違ったのは「エロンゲイション、カーマントル、サポートポイント
、ダイナミックロード、タグライン、ダブルブレイド、ティップタイ、
バッククリッピング、バランサー、フンボルトノッチ、ボラード、
ミルキング、リギング、ロープレンチ、ALT」です。
用語集を熟読して、更に理解を深めましょう